From Ichihara Chiba

追い風の その後

白石さん

移住して3年半が経ったOIKAZEの白石さん。空き家を改装したOIKAZEを運営する傍らで、市原湖畔美術館で毎月マルシェを主催している。そんな白石さんが今何を感じ、どのような暮らしをされているのか。白石さんが淹れてくれたコーヒーをいただきながらお話を伺った。過去月刊開宅で紹介した移住者のその後を取材する特別編、月刊開宅”その後”。白石さん、その後どう?

「その後、感じていること」

開宅舎 岡本(以下Oと示す):住む前と実際に住んでみて、その後どうですか?ギャップみたいなのってありました?

白石さん(以下Sと示す):ギャップ!?ない!そもそも住む前にイメージを全くしてなかったね。趣味の自転車でこの辺はよく走ってはいたけど、この辺は目的地というより通り道。いつも南房総とか勝浦に行く途中で通ってた。コロナ禍で当時勤めていたイベント会社の仕事がなくなって。何しよってなった時にたまたま市原で協力隊の募集があって。自転車乗りが集まれる場所作れるし、行ってみっか!ってここに移住してきた感じかな!

O:すごい、本当に勢いできた感じなんですね!

S:そうそう、あとはこっちにきて思ったのは田舎で暮らす人すごいなって!ここに移住する前は通り道としてしか見ていなかったけど、こっちに来て裏道だったり、林道を走らせてもらって感じるのは、道がすごくきれい。ちゃんと草刈りとか手入れしているから走れるんだなっていうのが分かって。なんか普通の道でも見え方が変わったね。いい景色って思うところは人がちゃんと手入れされていて、ありがたいことなんだなと思った。

O:その土地に住んでみたからこそ分かることですし、ここの人にとっては手入れをすることが日常なんですね。

S:あとはなんだろ。仕事のことで言うと、最初はここで全部完結すると思っていたけど、実際カフェとかマルシェ、イベント、いろんな仕事をやってみて、別にこの地域で完結しなくてもいいなって思うようになったかな。なんか移住ってなると、移住した地域でずっとやっていかなきゃって力みがちだけど、そんなことないなって。この地域だけで無くても、さらにその周りの地域とのかかわりも増やしていくような活動をしてもいいんじゃないかと思った。

「OIKAZEのその後。」

O:OIKAZEをオープンされてその後どうですか?

S:元々は自転車乗ってる人の休憩所として始めたんだけど、コーヒー出してよって言われるようになったから、コーヒー出すようになって。それから次はスイーツを出すようになって。そんでご飯を出すようになって。イベントもやるようになってOIKAZE以外が忙しくなって、今は休業中です。(笑)

O:今は休業中なんですね。

S:はい、OIKAZEちゃんとやります。やらないと。

O:白石さんは湖畔マルシェも始められましたよね。それはどういうきっかけだったんですか?

S:湖畔美術館の人にイベントやってみませんか?って声かけてもらって、とりあえずやってみるかという感じで、山とスパイスっていうイベントをまず1回やったのがはじまり。そしたらその何ヶ月後かにまた同じ場所でイベントやりましょうって声をかけてくれて。それで湖畔マルシェをやるようになったのかな。やれるっしょ!ってこれまた勢いで月1でやるようになったんだけど、思ったより大変で調子乗りましたね。

O:やっぱり大変だったんですね。出店者さんも自分で探されているんですか?

S:いろんなところに声掛けに行ったり、さらにまた紹介してもらったりしてきた。最初は自分が他のイベントに出店者としてコーヒーを出しつつ、その時に声かけまくったりして。だいたいキーパーソン的な人がいるんですよ。勝浦だと誰々でとか、大多喜の方だとこの人で鴨川はあの人とか、そういう人たちに、美術館でマルシェやってるんですけど、どうっすか、場所もめっちゃいいんすよ!って声かけて回って。そう、だから1年目は結構大変だったね。

でも1年やってみて今はもう慣れてきたし、色んな出店者さんとの繋がりができてだいぶ楽にはなったかな。みんなやっぱり場所が良いねって言っててくれるし。あとはお客さんにもっと来てもらうためにどうするかっすね。

O:確かに、湖畔のマルシェは場所とか雰囲気がすごくいいですよね。
白石さんは古民家を改装してカフェ兼住居として暮らしていると思いますがどうですか?


S:古民家はやっぱり寒いよ。自分の部屋はちょっとした隙間もグラスウールちぎっては埋めてって感じで。もうありとあらゆる隙間を埋めてるもん。隙間なら任せて。

O:隙間のスペシャリストですね。(笑)

「田淵とその後」

O:この地域の人との関係とかはどうですか?

S:もう周りの人は本当に良い人。この薪ストーブの薪とかさ、いるかぁって持ってきてくれたり、下のおばちゃんは野菜くれたり、みんな気にかけてくれる。うちの前も、地域の土木屋さんがアスファルト敷いてくれて、駐車場として使っていいよって!って。僕も儲かったら返します!って言ったんだけど、いっさい儲かってないからまだ一銭も払えてない。(笑)

「協力隊のその後」

O:移住されて3年半、協力隊を経て、カフェやイベントをやられてその後どうでした?

S:一言で言うと、冒険っすね!冒険!要は会社員じゃないから、全部自分でやらなきゃいけないし、大変だけどおもしろい。行けるっしょって思ってたら、あ、行けね、みたいな。うん、冒険。

イベントやっても、人が集まればいいけど、集まらなかったら赤字になるし、そこら辺は難しいところだけど、それはそれでおもしろい。

S:あとは周りに一緒になってやってくれる人がいるのもありがたい。今は身近な人にしか恩は返せないけど、協力してくれた人に恩返ししたいから、協力隊が終わってもここでやっていこうって思える。、最終的には、やっぱり人だよね。みんなそう言うかもしれないけどね、本当にソレだなって感じかな。

O:最後に前回取材で今後の目標を伺ったんで、また今回も今後の目標を聞ければなと思うんですが、何かあったりします?

S:なんかもう全部イベントにしちゃおうかなみたいな。カフェやるのももうイベントみたいな!ここでずっと自分がおとなしくカフェをやるってよりも、イベントスペースみたいな使い方をするようなイメージ。なんかここでじっとしているより、そういうふうにした方が僕っぽいなって。

O:市原の賑やかし屋ですね。とにかくイベントといえば白石さんみたいになるといいですね。

S:みんなで追い風ふかせようぜ(笑)!!

白石さん

加茂地区の空き家を改装してサイクルスポットをつくってた白石さん。

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空き家問題や移住促進に取り組む各地の方へ
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