♯空き家に光を

1月2日(水)

この家に、竹細工職人の東さん夫婦が越してきたのは、一年前の春。そこから持ち主の方の家財道具を整理したり、傷んだ箇所を修復したり、1年かけて生活空間を整えていった。

 東さんは、竹の産地でもある大分から、製材された竹を仕入れ、ここ朝生原の住居兼工房で竹籠を製作している。出来上がった製品は、東京のクラフトショップに卸すほか、各地で開催されるクラフトフェアに出品する。

「竹のいいところは、どこにでも生えていて、誰でもコツがわかれば加工することができる、そういうオープンなところです。」

そう言いながら竹鉈を使ってあっという間に竹かごを作るところを見せてくれた。ひとつの竹鉈さえあれば大抵のものは作れるそう。

昔の人は農閑期になると竹を使ってかごを作ったり、藁を使って草鞋を作ったりしていた。ここ養老渓谷でも竹は暮らしの道具を作るための素材として重宝されてきた。川漁で使う仕掛けかごや、自然薯を入れるかごなど、生活のあらゆるところで竹を使用した道具が使われてきた。

「いつかこの地域でとれる竹を使いたい」

東さんが竹細工を学んだ大分県別府は、竹細工の産地であると同時に、良質な竹を育て製材する仕組みが整う場所でもあった。竹細工用に竹を育てる竹林や、切り出した竹を油抜きするための窯場、それらを業とする職人もいた。厄介者としての竹ではなく、竹を素材として活用し、生業にすることができる、そういった環境が整っていたそう。

そんな竹細工に適した環境が整っていた大分県別府から、わざわざ竹を製材する技術や仕組みが整っていないこの地域を選んだのには、理由があったのか。

「東京との距離が面白かったんです。ウィリアム・モリスが別荘を設けたケルムスコットやバウハウスがあったヴァイマール。それぞれがロンドンやベルリンなどの都市部から距離を置いたように、自分も都市である東京から程よい距離感のところに拠点を構えたいと思ったんです。」

バウハウスのあったヴァイマールからベルリンまでの距離と、この辺りから東京までの距離がちょうど同じくらいだと東さんは教えてくれた。

東京からあえて距離をおき、職と住が一体となった暮らし方を実践する。職と住の分離が当たり前になってしまった今、東さんの暮らし方には、これからの働き方や暮らし方を考えるヒントがありそうです。開宅舎は今後も東さんの暮らしを追っていきます。

          

報告会1 朝生原

●日時: 3 月29 日( 日) 12:30-14:30
●集合場所: 小湊鉄道 養老渓谷駅
( 小湊鉄道で来る場合は12:14 着の列車をご利用下さい。お車でお越しの方は、養老渓谷駅の有料駐車場がお 使いいただけます。)
●参加費: 賛助会員の方は無料 非会員の方は1000 円
※賛助会員の方は次回以降の報告会も無料で参加できます。
※賛助会費や参加費は、次月の開宅費にあてられます。
※参加者全員に完成したばかりの月間開宅朝生原号を配布します。